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2006年度(平成18年度) | 資料集 | 大分県産業科学技術センター

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Academic year: 2018

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全文

(1)

堆積バークを原料とした成型培地資材の開発

古曳博也

*

・玉造公男

*

・大野善隆

**

・石井信義

**

水江

***

・重光和夫

***

・大西健二

****

・冨満龍徳

****

*地域資源担当・**日田産業工芸試験所・***機械金属担当・

****大分県農林水産研究センター花き研究所

Development

of

Compressed Seedbed Products made of Pile of Bark

H

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***

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****

・Tat s unor i TO

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I TSU

****

*

Regi onal Res our ces Gr oup

**

Hi t a I ndus t r i al Ar t Res ear ch Di vi s i on

***Mechani cal & Met al l ur gi cal Engi neer i ng Gr oup

****Oita Prefectural Agriculture,Forestry and Fisheries Research Center Floriculture Research Institute

要旨

バーク,バインダー,酸度矯正剤,被覆肥料および保水剤をそれぞれ配合して,36とおりの2.5号ポット形状成型

培地を作製した.バインダーには加熱または常温で使用する天然高分子系のりを用いた.その結果,いずれにおいても

形状成形が可能であった.また,本県が積極的に採用している底面給水方式による花卉栽培の適応性については,初期

段階に散水による水分補給を併用することで効果があがった.キクの栽培では,バーク 120g∼160g に対して天然高分

子系のりを 1g∼3g 配合した試料(施肥済み)において,良好な生長が確認できた.

1.

はじめに

林業廃棄物であるスギバーク(樹皮)は 1∼2 年間屋外

に堆積された後平均繊維長約 20mmに粉砕され,バーク堆

肥の原料やイチゴ高設栽培等の培地,グラウンド資材等

に利用される.しかし,海外から低価格で輸入されるピ

ートモス(水ゴケなどが堆積して泥炭化した用土)など

の普及により,需用が伸びないのが実情である.

他方では,土を使わずに園芸作物を栽培する養液栽培

が全国的に普及し、その培地としてロックウール(岩石

由来の石綿)が広く用いられるようになった.しかし栽

培終了後の廃棄が困難なために,有機物由来の培地への

代替要求が高まっている.

これらの背景から,堆積バークの利用拡大と生分解性

培地資材の新規市場への参入,新しい園芸資材の提供を

目的とし,バークを用いた成型培地資材の開発に取り組

んでいる.昨年度は,加熱して使用する天然高分子系の

りをバインダーとし,バークのみで成型加工する場合(加

熱温度約 200℃)に比べて,100℃程度低い温度で成型が

可能となることを見出した 1)

.また,水を張った容器内

に成型培地を設置して花卉の生育調査を行い,被覆肥料

や保水剤等の添加の有効性を確認した.本年度は,①加

熱しないで常温で成型する方法の検討,②本県が積極的

に採用している底面給水方式 2)

による花卉栽培への適応

について調査した.

2.

実験方法

2. 1 試料の製作

2. 1. 1 供試材

成型培地(以下試料という)の原料としてバーク,バ

インダー,酸度矯正剤,被覆肥料および保水剤を用いた.

このうち,バークはスギ樹皮を一年以上堆積して発酵を

促進させた繊維状のバークと,密度を若干高くした加工

バークの2種を(いずれも日田資源開発事業協同組合製),

バインダーには加熱して使用する天然高分子系のり1種

(以下加熱のりという)と,常温で使用する天然高分子

系のり2種(以下常温のりAおよび常温のりBという)

の合計3種を,酸度矯正剤には2種の消石灰を用いた.

試料の配合例をTable 1に示す.

2. 1. 2 製作方法

作製する成形培地は2.5号ポット形状としその成型型

枠をFig. 1に示す.外寸縦 100× 横 100× 高さ 200mmの充

填用凹型部品と苗 株 挿 入 用の植穴を設けるために上 径

25× 下径 18× 長さ 40 mmの凸型を付属する天板部品を用

いた.材質はアルミニウムである.主な加工工程は,原

料の攪拌,充填,圧締,取り出し,乾燥である.加工は常

温にて行ったが,バインダーが加熱のりの場合は,原料

撹拌後にフィルムで包み120秒間マイクロ波を照射して

(2)

Table 1 試料の配合例

ブンレンジMRO-A81型(日立熱器具㈱製),加熱温度の

推移はテフロン被覆熱電対T(㈱チノー製)で測定した.

また,圧締にはインストロン5568型(インストロンジ

ャ パ ン 製 ) を 用 い た . ク ロ ス ヘ ッ ド ス ピ ー ド を

30mm/minとし,圧締力を測定した.圧締完了後に固定

棒を挿入し,機械的な圧締を解除しても成型形状が保持

できるように配慮した.成型形状保持時間は 30 分であ

る.なお,試料№34および№49 の試料については,成

型形状保持時間を 5,10,15,20,25,30 分とした.

試料の仕上がり目標寸法は上径77× 下径58× 高さ 60mm

である.

Fig. 1 2.5号ポット形状用成型型枠

2. 2 試料の評価内容

2. 2. 1 素性調査

型枠から取り出した直後および105℃の加熱器で 3 日

間乾燥した試料について,水分量および比重(容積重と

仮比重)を次式より求めた.

水分(%)=(湿物重量−乾物重量)( g) /湿物重量( g)

× 100

容積重( g/ cm 3

) =湿物重量( g) /湿物容積( c m 3 )

仮比重( g/ cm 3

) =乾物重量( g) /湿物容積( c m 3 )

ただし,湿物は型枠から取り出した直後の試料を,乾物

は 105℃で 3 日間乾燥した試料を示す.

また試料№33,№34,№45,№48および№49の試料

については,乾燥性を評価するために室内にて 0,1,2,

3,4,7,10,14,21 日間自然乾燥して,重量減少率お

よび高さ寸法変化を求めた.

2. 2. 2 強度試験

試料の崩れにくさを評価する手段として,横圧縮およ

び縦圧縮試験を行った.全条件の試料について,室内に

1 カ月以上自然乾燥した低含水材の横圧縮試験を行った.

また,試料№34および№49の試料については,室内に

て24時間自然乾燥した高含水材および1カ月以上自然

乾燥した低含水材の横圧縮および縦圧縮試験を行った.

試験時のクロスヘッドスピードは10mm/min,供試サン

プル数は各1個である.

2. 2. 3 吸水性試験

吸水性試験は底面給水による方法と水中浸漬による方

法の2者で行った.いずれも 105℃の加熱器で 3 日間乾

燥した後に約 3 ヵ月室内で養生した試料を用いた.前者

には,60 リットル容量のプランターの設置面にろ紙を置

きその上に試料を並べ, 底面から高さ 5mmの位置まで水

を張った.後者は,プランターの設置面に試料を並べ,

完全に浸漬するまで水を注いだ.前者は吸水 1,7,14

加 熱 の り   ( 9 条 件 )

№ 1

№ 2

№ 3

№ 4

№ 5

№ 6

№ 7

№ 8

№ 9

繊 維 バ ー ク

120

120

120

加 工 バ ー ク

120

120

120

120

120

120

バ イ ン ダ ー

2. 4

2. 4

2. 4

2. 4

2. 4

2. 4

2. 4

2. 4

2. 4

消 石 灰 1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

被 覆 肥 料

0

2

4

0

2

4

後 2

2

後 2

保 水 剤

0

0

0

0

0

0

0

0. 2

0. 2

常 温 の り A   ( 16条 件 )

№ 21

№ 22

№ 23

№ 24

№ 25

№ 26

№ 27

№ 28

№ 29

№ 30

№ 31

№ 32

№ 33

№ 34

№ 35

№ 36

繊 維 バ ー ク

120

120

120

120

120

120

120

加 工 バ ー ク

120

120

120

120

120

140

160

140

140

バ イ ン ダ ー

15

20

25

25

25

25

25

15

15

15

15

15

3

3

1. 5

1. 5

消 石 灰 2

0. 75

1

1. 25

1. 25

1. 25

1. 25

1. 25

0. 75

0. 75

0. 75

0. 75

0. 75

0. 75

0. 75

0. 75

1. 5

被 覆 肥 料

2

2

2

後 2

2

後 2

0

2

後 2

2

後 2

0

2

2

2

2

保 水 剤

0

0

0

0

0. 2

0. 2

0

0

0

0. 2

0. 2

0

0. 2

0. 2

0. 2

0. 2

常 温 の り B   ( 11条 件 )

№ 41

№ 42

№ 43

№ 44

№ 45

№ 46

№ 47

№ 48

№ 49

№ 50

№ 51

繊 維 バ ー ク

加 工 バ ー ク

120

120

120

120

120

120

120

140

160

140

140

バ イ ン ダ ー

2

2

2

2

2

2

2

2

2

1

1

消 石 灰 2

2

2

2

2

2

1

3

2

2

2

1

被 覆 肥 料

0

0

2

後 2

2

2

2

2

2

2

2

(3)

日後の,後者は 2 時間および 7 日後の吸水率を次式より

求めた.

吸水率( %) =( m2−m1) /m1× 100

ただし,m1 は吸水前の重量( g) を,m2 は吸水後の重量

( g) を示す.供試サンプル数は各 1 個である.

2. 2. 4 花卉による生育調査

試料に設けた苗株挿入用の植穴に花卉を植え込み,底

面給水マット上に試料を静置した.調査初期の7∼10日

間は散水による水分補給を加えた.

試料№1∼№9および試料№21∼№32については,パ

ンジー(サンプル数各4個)とトルコギキョウ(サンプ

ル数各3個)をそれぞれ定植した.比較対照として成型

していない堆積バーク(施肥の有無)も供試した.(定植

日 2006 年 10 月 25 日)

さらに, 試料№33∼№36および試料№41∼№51につ

いては,キク(サンプル数各7個)を定植した.(定植日

2006 年 12 月 25 日)

パンジーについては,定植 56,125 日後に株張り(株

張り直径を 0. 5cm刻みで測定)を,トルコギキョウにつ

いては,定植 56,125 日後に草丈を計測した.キクにつ

いては,定植 22,56 日後に草丈を計測した.Fi g. 2に生

育調査の様子を示す.

Fi g. 2 生育調査の様子(キク)

3.

結果と考察

3. 1 試料の評価

3. 1. 1 供試バインダー

試料の作製に3種類のバインダーを試みた.

加熱のりについては,昨年度は成型加工時にヒーター

加熱したが,今年度は成型前に原料をマイクロ波照射し

て成型加工に供した.マイクロ波照射時の原料の温度は,

120秒付近まで105℃前後で推移した後,急速に180℃

程度まで上昇した.加熱のりの場合,糊液の粘度が最高

に達する温度が 93℃付近といわれる.昨年度の実験 1)

より100℃以上の加熱で成型が可能であることが確認で

きたので,今回の加熱は120秒間の照射で行うこととし

た.

常温のりAは,水分の蒸発による乾燥と,添加した消

石灰に含まれる炭酸ガスとの反応(炭酸化)により固化

するといわれている.また常温のりBは,糊液状態にあ

る粘着性物質を急速に脱水乾燥して粉末状にしたもので,

冷水を加えることで速やかに糊液が得られるのが特徴で

ある.

Tabl e 1 の配合例により,3 種のバインダーとも 2.5

号ポット形状の試料の製作が可能となることが確認でき

た.

3. 1. 2 試料の素性

作製した試料の形状および状態をTabl e 2に示す.

成型直後の水分量は 50∼60%前後の値を示した.供試

するバークの水分量が多いほど成型直後の水分量も多く

なる傾向がみられた.マイクロ波照射した後の水分量の

減少は 5%程度であった.

試料の高さ寸法は,常温のりAおよび常温のりBの場

合は,共にほぼ同様の高さ寸法(6. 3∼6. 4 cm)を示した.

一方,加熱のりの場合は,繊維バーク試料が 6. 5 cm程度

であるのに対し,加工バーク試料は 6. 1cmを示した.バ

ークの密度を高めることにより糊化した成分が絡まりや

すく,接着接合が高まって復元力が抑制できたものと思

われる.

容積重は,バインダーの種類が同一の場合は原料投入

量が多いほど大きくなる傾向を示した.圧縮変形量およ

びプレス圧締力が大きくなるためと考えられる.

100℃の加熱器で3日間乾燥した試料(乾物)の仮比重

は,常温のりAおよび常温のりBの場合は,湿物の容積

重と同様に原料投入量が多いほど仮比重も高くなる傾向

を示した.一方,加熱のりの場合は,容積量の低かった

繊維バーク試料が 0. 25∼0. 26 g/ cm 3

であるのに対し,容

積重の高かった加工バーク試料が 0. 23∼0. 26 g/ cm 3

と若

干低い値を示した.これは乾物試料の重量変化の差異に

よるもので,繊維バーク試料の乾燥重量減少が小さかっ

た(重量が大きかった)ことに起因している.

試料の乾燥性を調べるために,試料№33,№34,№45,

№48および№49 の試料について自然乾燥時の重量減少

率および寸法変化を求めた.その結果,14日後以降は2

者ともに際立った変化が認められず,平衡に達したもの

と判断できた.

3. 1. 3 試料の強度性能

試料の崩れにくさを評価する一つの手段として,室内

に 1 カ月以上自然乾燥した低含水材の横圧縮試験を行っ

た.Fi g. 3 に結果を示す.グラフは,試料を摘んだとき

ポット形状が破壊に至らない変形量 2mm時点での圧縮強

度値と試料の容積重を表している.容積重の高い試料は,

圧縮強度値も高くなる傾向を示した.また,繊維バーク

に比べ加工バークにおいて圧縮強度値が高くなる傾向を

示した.バークの密度を高めることによりバーク全体に

(4)

Table 2 作製した試料の形状および状態

われる.また,バインダーは添加量の多い試料ほど圧縮

強度値が高くなった.このことより,のり成分が満遍な

く全体に行き渡っているものと推測できる.今回供試し

た配合例のうち,試料№33,№35,№41∼№46,№50 お

よび№51 は,圧縮強度値が 10N以下で崩れやすい傾向を

Fig. 3 低含水試料(水分12%)の横圧縮強度

示した.強固さの改善が必要である.

試料№34 および№49 について,室内にて24時間自然

乾燥した高含水試料および1カ月以上自然乾燥した低含

水試料の横圧縮および縦圧縮試験を行った.その結果,

いずれも成型間もない試料は低い圧縮強度値を示した.

しかし,1カ月以上自然乾燥し低含水状況になれば高含

水時の2∼10倍も高い圧縮強度値を示すことがわかった.

なお,低含水試料の縦圧縮試験において,加工時の圧締

時間を 20 分とした試料の圧縮強度値が最も高くなる傾

向を示した.今後サンプル数を増やして検証したい.

3. 1. 4 試料の吸水性

底面給水による吸水量の推移をFig. 4に,水中浸漬に

よる吸水量の推移を Fig. 5に示す.

底面からの吸水については,常温のりAのうち配合量

が 15g∼30gの試料(試料№21∼№33)は,特に高い吸

水性能を示した.一方,それ以外の試料(配合量が 1g∼

3 g)については,吸水 1 日後の段階で 2. 9%∼10. 7%程度

の吸水率にとどまった.

水中浸漬では,全ての試料において浸漬2時間後には

浸漬前重量の20%以上の水分を,また7日後には120%

0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0 1 2 0

1 3 5 7 9 2 12 3 2 52 72 9 3 13 3 3 5 4 2 4 44 64 8 5 0

試 料 番 号

横圧縮強度

N

0 .0 0 0 .2 0 0 .4 0 0 .6 0 0 .8 0 1 .0 0

容積重

(

g

/

c

m

3

)

加 熱のり  (9条件 )

№ 1

№ 2

№ 3

№ 4

№ 5

№ 6

№ 7

№ 8

№ 9

加 熱 前 水 分 ( %)

52

52

52

54

54

54

54

54

54

加 加 熱 後 水 分 ( %)

48

48

48

49

50

50

49

50

50

工 圧締力( Mpa)

0. 06

0. 07

0. 08

0. 03

0. 04

0. 03

0. 03

0. 03

0. 03

圧 縮 率( %)

45. 5

45. 1

45. 9

33. 9

33. 2

33. 1

34. 3

33. 4

33. 6

重量( g)

108

111

112

109

111

113

109

111

110

湿 高さ( c m)

6. 5

6. 5

6. 5

6. 1

6. 1

6. 1

6. 1

6. 1

6. 1

物 水分( %)

48

48

48

48

48

48

48

48

49

容 積 重( g/ c m

3

)

0. 47

0. 48

0. 49

0. 51

0. 52

0. 53

0. 51

0. 52

0. 51

乾 重量( g)

57

58

59

52

54

56

49

52

49

物仮 比 重( g/ c m

3

)

0. 25

0. 25

0. 26

0. 24

0. 25

0. 26

0. 23

0. 24

0. 23

常 温のりA  (16条件)

№21

№22

№23

№24

№25

№26

№27

№28

№29

№30

№31

№32

№33

№34

№35

№36

成 型 前 水 分 ( %)

52

52

52

52

52

52

52

54

54

54

54

54

54

54

54

54

加 圧締力( Mpa)

0. 18

0. 18

0. 21

0. 18

0. 21

0. 18

0. 2

0. 09

0. 09

0. 08

0. 08

0. 08

0. 14

0. 27

0. 15

0. 14

工 圧 縮 率( %)

52. 4

53. 3

54

54. 8

55. 5

54. 9

54. 8

39. 6

39. 3

39. 1

39. 2

39. 4

43. 2

47. 6

41. 7

41. 3

重量( g)

136

141

146

145

147

145

144

135

134

136

134

134

145

165

143

144

湿 高さ( c m)

6. 4

6. 4

6. 4

6. 4

6. 3

6. 4

6. 4

6. 4

6. 3

6. 4

6. 4

6. 4

6. 4

6. 6

6. 4

6. 3

物 水分( %)

53

52

53

53

52

52

52

53

53

53

53

53

54

54

54

54

容 積 重( g/ c m

3

)

0. 61

0. 63

0. 65

0. 64

0. 66

0. 65

0. 64

0. 61

0. 6

0. 6

0. 6

0. 6

0. 64

0. 71

0. 64

0. 65

乾 重量( g)

65

67

69

69

70

69

69

64

61

64

62

62

61

69

62

69

物仮 比 重( g/ c m

3

)

0. 29

0. 3

0. 31

0. 31

0. 32

0. 31

0. 31

0. 29

0. 28

0. 29

0. 28

0. 28

0. 27

0. 3

0. 28

0. 31

常 温のりB  ( 11条件)

№41

№42

№43

№44

№45

№46

№47

№48

№49

№50

№51

成 型 前 水 分 ( %)

59

59

59

59

59

59

59

59

59

59

59

加 圧締力( Mpa)

0. 04

0. 05

0. 05

0. 05

0. 06

0. 07

0. 07

0. 15

0. 29

0. 16

0. 15

工 圧 縮 率( %)

36. 5

36. 7

36. 4

36. 9

38. 9

38. 9

38. 6

44. 4

50. 6

43. 5

43. 1

重量( g)

123

123

125

124

125

124

126

145

165

144

143

湿 高さ( c m)

6. 3

6. 3

6. 3

6. 3

6. 3

6. 3

6. 3

6. 3

6. 4

6. 3

6. 4

物 水分( %)

59

58

58

58

58

59

58

58

58

58

58

容 積 重( g/ c m

3

)

0. 56

0. 56

0. 57

0. 56

0. 57

0. 56

0. 57

0. 66

0. 74

0. 65

0. 64

乾 重量( g)

49

50

51

49

53

53

54

61

69

63

62

物仮 比 重( g/ c m

3

(5)

Fi g. 4 底面給水による吸水量の推移

Fi g. 5 水中浸漬による吸水量の推移

以上の水分を吸収することが確認できた.

これらの結果から,試料に適量の水分を吸収させるた

Fi g. 6 パンジーにおける栽培適応性試験結果

めには,底面からの補給のみでは不充分であり,水分過

多とならない範囲で浸漬または散水などによる給水の併

用が有効であると思われる.

なお,保水剤についてはその含有効果を把握すること

は困難であった.保水剤は元来,保水剤が溜め込んでい

た水分を,乾燥状態が続いた環境下において水分を補填

する役目を担うものである.今回のように,底面給水に

よる水分保持が不完全の状況や,水中浸漬による水分過

多の状況では効果を把握しにくい.今後,水中浸漬した

試料を強制的に乾燥環境下に置き,水分の補填状況の如

何について追跡調査する予定である.

3. 1. 5 花卉の栽培適応性

Fi g. 6 にパンジー,Fi g. 7 にトルコギキョウ,そして

Fi g. 8にキクの生育調査の結果を示す.

パンジーについては,試料№3および№6 において,

対照A区(硬質ポリポットに堆積バークを充填し,被服

肥料を 2g 局所施肥したもの)と同等またはそれ以上の

良好な生長が確認できた.しかし,常温のりAの試料№

21∼№33のすべてが枯死する状況となった.これらの試

料は常温のりAの配合量が15g∼25gと多く,生育調査

い供した試料を観察すると,表面が白く粉を葺いたよう

になり,さらにカチカチに干からびた状態となっていた

(Fi g. 9).前述の吸水性の実験から,当試料は底面給水

および水分浸漬ともに吸水性は良好な結果を示している

が,いったん吸水した水分を保持する性質(保水性)は

劣ることが考えられる.常温のりAの配合量を減らして

追試を実施する.

トルコギキョウについては,試料№3および№7にお

いて,対照A区と同様に良好な生長が確認できた.しか

し,パンジー同様に常温のりAの試料については,総じ

て生育が芳しくなかった.その他,被覆肥料を施肥して

いない試料(試料№1および№4)においても生育が悪か

った.施肥は植物の生長に欠かせない要因の一つである.

Fi g. 7 トルコギキョウにおける栽培適応性試験結果

0 5 0 1 0 0 1 5 0 2 0 0 2 5 0 3 0 0 3 5 0 4 0 0

1 3 5 7 9 2 1 2 3 2 5 2 7 2 9 3 1 3 3 3 5 4 2 4 4 4 6 4 8 5 0

試 料 番 号

吸水率

(%)

7日 後 2時 間 後

0

2 0

4 0

6 0

8 0

1 0 0

1 2 0

1 4 0

1 3 5 7 9 2 1 2 3 2 5 2 7 2 9 3 1 3 3 3 5 4 2 4 4 4 6 4 8 5 0

試 料 番 号

吸水率

(%)

1 4 日後

7 日 後

1 日 後

0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 3 5 4 0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 2 1 2 2 2 3 2 4 2 5 2 6 2 7 2 8 2 9 3 0 3 1 3 2A B C

試 料 番 号

株張

(cm)

定 植 1 2 5 日後

定 植 5 6 日 後

0 1 0 2 0 3 0 4 0 5 0 6 0 7 0 8 0 9 0 1 0 0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 2 1 2 2 2 3 2 4 2 5 2 6 2 7 2 8 2 9 3 0 3 1 3 2 A B C

試 料 番 号

草丈

(cm)

定 植 1 2 5 日 後

(6)

Fig. 8 キクにおける栽培適応性試験結果

Fig. 9 枯死の原因となった試料

キクについては,常温のりAの配合量を 1g∼3gと少な

くした試料を供試した(試料№33∼№36).その結果,

定植56日後には草丈60cm付近まで生長することが確

認できた.その他,常温のりBを用いた試料№43∼№51

についても,同様に60cm付近まで生長することが確認

できた.一方,被覆肥料を施肥していない試料(試料№

41および№42)においては生育が芳しくなかった.

今回の生育調査により,供試した3種のバインダーと

もに,生育に良好な原料配合割合を見出すことができた.

栽培方法では,底面給水方式の栽培を基本とし,初期段

階(7∼10日間)に散水による水分補給を行うことが有

効であることがわかった.パンジーおよびトルコギキョ

ウの生育状況調査はひとまず終了するが,キクの生育状

況の調査は引き続き 5 月まで行い,開花の状況も含めて

観察する予定である.

4.

まとめ

堆積バークの利用拡大と生分解性培地資材の新規市場

への参入,新しい園芸資材の提供を目的とし,バーク(2

種),バインダー(3種),酸度矯正剤(2種),被覆肥料

および保水剤をそれぞれ配合して,2.5 号ポット形状の

成型培地を作製した.3 種類のバインダーのうち,特に

常温のりAまたは常温のりBを用いることで,常温での

作製が可能となった.36とおりの成型培地について素性

調査,強度試験,吸水性試験,花卉による生育調査等を

行った結果,以下のことがわかった.

1) 常温のりAおよび常温のりBをバインダーとした場

合,原料投入量が多いほど湿物の容積重および乾物の仮

比重はともに高くなる傾向を示した.

2) 成型後,自然乾燥14日後以降は重量減少率および

寸法変化ともに際立った変化が認められず,平衡に達し

ているものと判断できた.

3) 横圧縮および縦圧縮試験を行った結果,いずれも成

型間もない高含水材は低い圧縮強度値を示した.しかし,

乾燥が進み低含水材になれば高含水時の2∼10倍も高い

圧縮強度値を示した.

4) バーク 120g∼160g に対して,バインダーの配合量

が 1g∼3 g の試料については,底面給水 1 日後の吸水率

が 2. 9%∼10. 7%程度にとどまった.そのため,底面から

の水分補給のみでは不充分であり,浸漬または散水など

による給水の併用が求められる.

5) 底面給水方式(初期段階では散水による水分補給を

行う)による栽培適応性試験では,バーク 120g に対して

常温のりAの配合量が 15g∼25 g の試料ではパンジーお

よびトルコギキョウが枯死した.バーク 120g∼160g に対

して常温のりAまたは常温のりBの配合量が 1g∼3 g の

試料では,キクの栽培において良好な生長が確認できた.

成型培地の加工においては,生産性の向上が必要不可

欠である.現在実験機を開発中で,今後実証試験を行い

ながら,成型培地製造企業とともに量産化を目指してい

く予定である.

参考文献

1)古曳博也,大野善隆,石井信義,水江 宏,重光和夫,

大西健二,諸富保司, 松成 茂:平成 17 年度大分県産業

科学技術センター研究報告書, ( 2005) ,

ht t p: / / www. oi t a- r i . go. j p/ r epor t / 2005. ht m

2)大分県温泉熱花き研究指導センター:平成 11 年度試

験成績書, (1999), 35- 95.

0 2 0 4 0 6 0 8 0 1 0 0

3 3 3 4 3 5 3 6 4 1 4 2 4 3 4 4 4 5 4 6 4 7 4 8 4 9 5 0 5 1

試 料 番 号

草丈

(

cm

)

定 植 5 6 日 後

Table  1 試料の配合例  ブンレンジ MRO-A81 型(日立熱器具㈱製),加熱温度の 推移はテフロン被覆熱電対 T (㈱チノー製) で測定した. また,圧締にはインストロン 5568 型(インストロンジ ャ パ ン 製 ) を 用 い た . ク ロ ス ヘ ッ ド ス ピ ー ド を 30mm/min とし,圧締力を測定した.圧締完了後に固定 棒を挿入し,機械的な圧締を解除しても成型形状が保持 できるように配慮した.成型形状保持時間は 30 分であ る.なお,試料№34 および№49 の試料につ
Table  2 作製した試料の形状および状態  われる.また,バインダーは添加量の多い試料ほど圧縮 強度値が高くなった.このことより,のり成分が満遍な く全体に行き渡っているものと推測できる.今回供試し た配合例のうち,試料№33,№35,№41∼№46,№50 お よび№51 は, 圧縮強度値が 10N以下で崩れやすい傾向を  Fig
Fig. 8  キクにおける栽培適応性試験結果  Fig. 9  枯死の原因となった試料  キクについては,常温のりAの配合量を 1g∼3g と少な くした試料を供試した(試料№33∼№36) .その結果, 定植 56 日後には草丈 60cm 付近まで生長することが確 認できた.その他,常温のりBを用いた試料№43∼№51 についても,同様に 60cm 付近まで生長することが確認 できた.一方,被覆肥料を施肥していない試料(試料№ 41 および№42)においては生育が芳しくなかった.    今回の生育調査に

参照

関連したドキュメント

注)○のあるものを使用すること。

※短期:平成 31 年度~平成 32 年度 中期:平成 33 年度~平成 37 年度 長期:平成 38 年度以降. ②

施設 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 10年比 松島海岸 㻟㻘㻠㻝㻥㻘㻜㻜㻜

平成25年度.

(単位:千円) 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度 1,772 決算 2,509 2,286 1,891 1,755 事業費 予算 2,722 2,350 2,000. 1,772 決算

・圃場排水技術 等 平成 24 年度

 県民のリサイクルに対する意識の高揚や活動の定着化を図ることを目的に、「環境を守り、資源を

連結会計 △ 6,345 △  2,963 △ 1,310 7,930 724 普 通会計 △ 6,700 △  2,131 △ 3,526 6,334 △ 970. 基礎的財政収支